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「永遠平和のために」を読む9

kanto10



永遠平和のために」を読む 9

第2章
その2 「国際法は自由な国家の連合にもとづくべきである」


 人間が無法状態にあるとき、「この状態を出るべきこと」は自然法にかなっている、というカントだが、「たとえ理性が道徳的立法の最高の力として戦争を断罪し、平和状態をあるべき義務とするにせよ、民族間の契約がなければ平和状態は確立されず、保障されもしない」と説く。
 そのためにも「平和連合」とでも名づけるような特別の連合がなくてはならない」と、現代人には国連と結びつく提唱がなされる。

 さらに「平和条約は一つの戦争を終わらせるだけだが、平和連合は、あらゆる戦争を永遠に終わらせることをめざしている」という理念に注目したい。

 カントの言う平和連合は第1次世界大戦後の1920年、国際連盟として第1歩を記したが、提唱した米国が参加せず、加盟国の脱退も相次ぎ、第2次世界大戦を避ける力とはなり得なかった。その大戦後の1945年に国際連合すなわち国連が生まれた。ちなみに国際連盟は1946年になって解散した。さらにちなみに国際連合は英語でUnited Nationなので直訳は連合国となる。

 はたしてこの国連が、カントの提唱した平和連合を具現化したものであるか。その検証とまでいかなくても、考えてみる必要がありそうだ。結論から言うと、現に戦争や内戦、紛争がある現実からは、程遠いという状態にある。

 たとえばイラクは、この間、戦闘状態にあると日本の裁判所の裁判で見解が示された。自衛隊が参加しているのは、国連軍ではなく、多国籍軍なはずで、実はイラクでは国連が中心となった活動がなされているとはいえない。

 なぜ国連の決議による派兵ではないのか。それは安保理で決議されないというのが一番の理由といえるだろう。カントの平和連合なら、希求する目的は平和状態なので、加盟国(ここでは常任理事国)は目的が一致するはずだが、一致しないのは(派兵にみな賛成せよということでも、みな反対せよということを言いたいのではない)まだまだ国連が平和連合の域に届いていないためだ。

 国連主義は間違いではないと思う。しかし、今の国連に全幅の信頼を置いて国がどういう道を選択するのは危うい。そんな状態に国連はあるとも思う。

 カントは平和連合が求めるのは「何らかの国家権力を獲得することではなく、おのおのの国家それ自体と、連合した国々の自由を確立し、保持する」ことだと規定する。

 ここでは「一つの世界共和国」という言葉が使われている。地球上に存在する国のすべてが国連の一員となり、上の状態が生まれたとき、平和連合になるのだろう。一足飛びには出来ないが、諦めることはない。カントも少しずつ広がる過程を認めている。

テーマ : 紹介したい本
ジャンル : 本・雑誌

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Re: 「永遠平和のために」を読む9

国連の話ですが、やはり今の国連は自国の利益があり、その上に成り立ってる。
拒否権なるものが存在してる限りカントの言う平和連合には成り得ないでしょう。
紛争の当事国は参考意見として事情聴取はしても、決議に参加させたらいけないと思う。
そんな風に出来たら平和連合に一歩近づくんじゃないかなぁ。

Re: 「永遠平和のために」を読む9

yoshiさん、アメリカの独走を許さないという点でさまざまな考えの国が常任理事国の中に入っていることは好ましい状況なのですが、実際は国連を無視して動いている実態があり、望むような機能を果たしていないように思います。
中国史先勝の大地震は連日、大きく報道されますが、ミャンマーのサイクロン被害がかなり縮小しています。報道の量以前に国連の存在感ってどうなのよと思わざるを得ないところがあります。

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